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コラム

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2016年 第5回 辞めた理由によって違う!失業手当のしくみ
松原 季恵 

夫の転勤や自身の転職などの理由で仕事を辞めたときに、次の就職まで家計を助けてくれる「失業手当」。失業手当は仕事を辞めた理由によって給付内容に違いがあることをご存じでしょうか。働いているときから知っておきたい失業手当の給付のしくみを見ていきます。

失業手当は雇用保険のほんの一部

そもそも失業手当とは、社会保障制度の一つである雇用保険から支給される「基本手当」が正式な名称です。雇用保険は労働者が安定して働いていけるための環境づくりを目的としています。そのため、雇用されている人はほぼ全員が加入して被保険者になっており、パートであっても一定の基準(31日以上雇用される予定など)に達したら強制的に加入になります。

 

保険料は事業主と労働者本人の両方で負担し、事業主の方が多く負担しています。給料のなかから支払われているので、雇用保険に加入していること自体、意識していない人も多いでしょう。

 

雇用保険のなかには被保険者の労働の安定を目的とした多くの給付があります。例えば、厚生労働省が認定した教育訓練を受けた場合に、費用の一部を支給される教育訓練給付や、60歳以降の賃金が一定割合まで減ってしまった場合に、生活の安定のために支払われる高年齢雇用継続給付などです。基本手当である失業手当は、雇用保険のほんの一部です。

 

▼社会保障制度と雇用保険、失業手当の関係

 

 

失業給付は働きたい人のための制度

失業給付は被保険者が会社を辞めたときに、求職活動中の生活費を補てんするために支給されるものです。言い換えると、失業給付は求職活動をしなければ支給されません。

 

そのため、受給手続きは管轄のハローワークで最初に「求職の申込み」をします。企業に出す履歴書のように、経験した仕事や希望する仕事を書き、窓口に提出します。そして、給付を受けるのは原則4週間に1回ですが、その都度、求職活動の実績(面談や履歴書を出した会社名など)を報告し、それでも失業状態であることを認定してもらうことで給付を受けられます。

 

受給の条件は、上記のように働く意思と能力があることに加え、被保険者期間が離職日以前2年間に通算12ヵ月以上あることです。

 

辞めた理由で違う、給付日数

失業給付は、会社を辞めた理由がやむを得ない理由によるものなのか、自己都合かによって給付の内容が違います。やむを得ない理由とは、倒産や解雇によるものです。また雇い止めの場合も、平成29年度まで限定で同等の給付期間が設けられています。

 

やむを得ない理由による給付日数 

 

 また、自己都合とは、自らの意思や定年退職、懲戒解雇によるもののことです。

 

▼自己都合による給付日数

 

 やむを得ない理由で退職した場合、年齢が上がるほど支給日数が多くなります。反対に、自己都合で辞めてしまった場合は年齢に関係なく、最大でも150日間しか給付されません。これは、例えば親の介護のように、40~50代に離職を希望するような場合は、特に支給が不十分になる可能性があることを考慮する必要があるでしょう。

 

辞めた理由で違う、給付までの期間

自己都合か否かで違うのは、給付日数だけではありません。失業手当の受給資格が決定された日から実際に受け取るまでの期間も異なります。

 

倒産や解雇など、やむを得ない理由で会社を辞めた場合には、受給資格が決定されてから7日間の待機期間を経た後に支給してもらえます。一方、自己都合で辞めた場合には、7日間の待機期間に加え、3ヵ月の給付制限を待ったうえで、ようやく受給されます。

 

ただし、自己都合のなかでも正当な理由によるものであれば、平成29年度まで3ヵ月の給付制限を設けず、7日間の待機期間を待つだけで受け取ることができます。

 

正当な理由とは、疾病・ケガなど身体的な問題や、妊娠・出産・育児、親の介護などが挙げられます。また、結婚や夫の転勤などによって通勤が不可能になった場合も認められます。

 

ただし、正当な理由かどうかなど、辞めた理由はハローワークが「会社側」と「労働者側」の両方の意見を聞いて決めるので注意が必要です。もし、会社側が正当でない自己都合を理由にしていた場合、申請時に正当であることを申し出る必要があります。この時には、その証拠になるものを提示する必要があるので気を付けましょう。

 

例えば、夫の転勤により勤務できなくなり会社を辞めるケースでは、夫の異動の辞令が分かるものと住民票などの提出が必要です。最近は口頭やパソコン上で辞令を出す場合もありますので、証拠になるものを異動の辞令がでたときに残しておく必要があります。何が証拠になるかはケースによりますので、転居先の管轄のハローワークに転居前に問い合わせておきましょう。

 

失業手当は辞める前に確認しておこう

失業手当は離職後に受給の手続きを行いますが、その給付内容は働いている間から知っておくことが大事です。会社を辞めた理由によって給付内容が異なりますので、本当にその理由で辞めていいか、「働く」とはどうゆうことかも、再度考える良い機会でもあります。

 

また、労働者は保険料を払っている訳ですから、正しい給付を受ける権利があります。知らなかった、準備をしていなかった等の理由で申請できないというのは、非常に勿体ないことです。保険料負担者として、失業保険、そして雇用保険の仕組みを理解しておくことは大切なことでしょう。

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SEO対策などweb上の誘導施策を行わず、地道に「顧客利益優先」原則に基づき、実務家FPの活動をしてきて、12年。
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