ファイナンシャルプランナーなどの専門家ネットーワーク「マイアドバイザー」

コラム

- 統計資料と景気指標を活用した資産運用

2014年 第5回 日経新聞の景気指標を活用する アジア編
恩田 雅之  ⇒プロフィール

このコラムは、「統計資料と景気指標を活用した資産運用」というテーマに沿って、6回シリーズで書いています。第5回目は、「日経新聞のアジアに関する景気指標の活用法」になります。日経新聞が取り上げている国と地域は、中国、香港、台湾、韓国、シンガポールとなり、他のアジア諸国に比べ、1人当たりのGDPが高く、政情も安定した国かと思われます。

はじめに

日経新聞の景気指標欄には、前回の欧州の景気指標と同じくアジアも3週間1度と掲載されます。

アジアについては、掲載する国や地域の数が5つと多いため、景気指標の項目は、「国内・域内総生産」「貿易収支・通関」「消費者物価」の3項目と8項目の掲載があった欧州と比べてと少なくなります。

 

1.1人当たりのGDPでは

今回みていきます、中国、香港、台湾、韓国、シンガポールは、経済規模や人口などでかなりバラつきがありますので、最初にそれぞれの国や地域及び日本の「2013年1人当たりのGDP」のランキングと金額を<表1>で確認しておきましょう。

 

<表1>1人当たりの名目GDP(2013年)

順位

国・地域

1人当たりGDP(USドル)

8位

シンガポール

54,775

24位

日本

38,491

25位

香港

37,777

33位

韓国

24,328

38位

台湾

20,958

84位

中国

6,743

(出典:IMF)

 

<表2 国内域内名目GDP(2013年)> 単位:億USドル (   )内は順位

 

中国(2位)

台湾(25位)

韓国(15位)

シンガポール(36位)

2013年

91,810

4,890

12,210

2.957

(出典:IMF)

 

<表2>の国別GDPでは世界第2位の中国ですが、1人当たりでは、日本を含めて他の4か国と香港に比べ、大きく差が開いています。

因みに、他のアジアの国々ランキングは、マレーシア(67位)、タイ(93位)、インドネシア(116位)、フィリピン(127位)、ベトナム(135位)となります。

 

2.「国内・域内総生産」

日経新聞では、<表3>のように国内・域内総生産の対前年比の伸び率を掲載しています。

特に、中国の四半期ごと「国内・域内総生産」の伸び率と併せて3.「貿易収支・通関」みることで、世界の経済の流れの大枠で把握できるかと思います。

 

<表3>国内・域内総生産 名目(前年比、%)>

 

中国

香港

台湾

韓国

シンガポール

2011年

9.3

4.8

4.2

3.7

6.1

2012年

7.7

1.5

1.5

2.3

2.5

2013年

7.7

2.9

2.1

3.0

3.9

2013年10-12月

7.7

2.9

2.9

3.7

4.9

2014年1-3月

7.4

2.6

3.2

3.9

4.8

2014年4-6月

7.5

1.6

3.7

3.5

2.4

(出典: 日経新聞 景気指標)

 

また、現在の注目点は、今後も中国が7%以上のGDP成長率を維持でできるかになります。

IMFの見通し(2014年7月24日改訂)では、2014年7.4%、2015年7.1%と見ています。

 

3.「貿易収支・通関」

貿易収支・通関をみるにあたり、各国の主要輸出入国及び地域を知ることが重要かと考え、外務省のホームページを参考に<表4>にまとめておきました。

輸出入の金額などより詳しいデータに興味がある方は、日本貿易振興機構(ジェトロ)のホームページ(http://www.jetro.go.jp/indexj.html)の国別・地域別情報を参照されることをお勧め致します。

 

 

<表4>各国の主要輸出入国

 

輸出

輸入

中国

米国、EU、香港、ASEAN、日本

EU、ASEAN、日本、韓国、米国

香港

中国、米国、日本

中国、日本、シンガポール

台湾

中国、香港、米国、シンガポール,日本

日本、中国、米国、

韓国、サウジアラビア

韓国

中国、米国、EU、日本、香港

中国、日本、EU、米国、サウジアラビア

シンガポール

(参考)

日本

 

米国、中国、韓国、台湾、香港

中国、米国、オーストラリア、

サウジアラビア、アラブ首長国連邦

米国

カナダ、メキシコ、中国、

日本、イギリス

中国、カナダ、メキシコ、日本、ドイツ

オーストラリア

中国、日本、韓国

中国、米国、日本

(出典:外務省)

中国、台湾、韓国、シンガポールの4か国とも貿易収支黒字国になりますので、輸出先の国や地域の景気動向によって自国のGDP成長率が影響を受けます。

日経新聞の景気指標欄では、貿易収支(輸出-輸入)の金額のみの掲載となりますが、<表4>の示したように各国の主要輸出入国を把握しておくと、今回の4か国がどの国の景気動向に影響を受けているか考える目安になります。

 

特に貿易黒字の金額の大きい中国の場合は、中国へ輸出している国々の景気にも影響を与えますので、その国々も併せて確認しておきましょう。

 

4.消費者物価

日経新聞の景気指標欄では、過去3年間と直近12か月の対前年比でみた物価上昇率が、掲載されています。今回の4か国(中国、台湾、韓国、シンガポール)については、EUのようにデフレに陥る心配は無いかと思いますが、物価上昇が急激なものかどうかの確認は必要でしょう。

 

各国中央銀行の主要政策の1つに「物価の安定」があります。急激な物価が上昇した場合には、多くの場合「政策金利を引き上げ」という方法がとられます。

「政策金利の引上げ」は、為替相場にも影響を与える政策となります。

 

5.まとめ

今回は、アジアの4か国の3つの景気指標(国内・域内総生産/貿易収支・通関/消費者物価)についてみてきました。

この4か国は、貿易黒字国になりますので、世界経済との関連を知る参考になるかと考え、日経新聞の景気指標の他にIMFや外務省の資料についても紹介をさせていただきました。

 

(このコラムは、2014年9月29日に作成いたしました。)

⇒恩田 雅之のコラム一覧へ

厳選されたFPや専門家達のコラム連載中!!一覧を見る

新着情報

2019.01.15
【講演会のご案内】
登録メンバーの 佐藤益弘氏 が、2月8日(金) に 毎日新聞主催 朝日新聞後援「今考えたい!後悔しない土地活用 賃貸住宅経営のリスクと対策セミナー」にて講演を行います。
2019.01.01
【新年のご挨拶】
2019年・・・あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
マイアドバイザーもサイト誕生から14年(現在の体制になり12年目)になりました。
今年は元旦より、運営者である㈱優益FPオフィスの佐藤益弘氏が朝日新聞の誌上にてコメントをの弁させて頂いております。
今年のテーマは「変化」です。出来るだけ早く新たなフィールドに進めるよう精進しますので、ご期待下さい。
今年も変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。
2018.12.29
【年末のご挨拶】
2018年・・・今年1年、マイアドバイザーをご愛顧いただき、誠にありがとうございました。感謝申し上げます。
今年はマイアドバイザーにとっては、熟考し、正直あまり動く事ができなかった一年でした。
そんな中、総PV(ページビュー)数が「4,000万PV」に達成し、また、閲覧総数(ユニークユーザー数)も700万人に達成することができました。
SEO対策などweb上の誘導施策を行わず、地道に「顧客利益優先」原則に基づき、実務家FPの活動をしてきて、12年。
登録者の入れ替わりが進む中、倫理面が重視される昨今の世の中で、多くのみなさんに支持頂いているようで、感謝の言葉しかありません。
そんなマイアドバイザーですが、来年以降も変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。 また、来年!
マイアドバイザー運営者 株式会社優益FPオフィス 佐藤益弘

過去のコラム

My Adviserについて

インフォメーション